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『謹賀新年、明けましておめでとうございます。』


本年もいろいろな事にチャレンジしようと思っています。皆様には大変お世話になりました。
今年もよろしくお願い申し上げます。
また、昨年は喪中ということで年賀状を失礼させていただきましたが、このこともあり小生の方の
住所整理が悪く、戻ってきた年賀状が多くあり、失礼をした方々も多いようです。心よりお詫び致します。





12/22

『12/5、第2回国際環境資源生物学会がありました。』


報告遅れて申し訳ありません。12月5日(金)に大阪大学でJatrophaについての学会(研究会)が開かれました。プログラムを添付させていただきました。それは非常に広い、多角的な分野での発表があり、小生がまったく知らない専門もあり、とても勉強になりました。きっと皆様もご参考になると思ったからです。
 会長役をされた新名惇彦先生、またお世話役をされお世話になった柴垣奈佳子先生に御礼申し上げます。
 この研究会が学会となりますよう、微力ながら小生も協力させていただきたいと思います。

↓クリックしてプログラムをご覧ください。







12/15、12/17(追加)

『リラックス・タイム、やはり富士山は美しいですね。(追加)沖縄もおもしろいです。』


 このリラックス・タイムは沖縄の方々へのお知らせです。
 先日、大阪大学でJatrophaの学会があり、上京の途中、新幹線の車窓から久しぶりに紅葉を楽しみました。丁度タイミングよく美しかったです。
 また、途中下車し、孫(小1、小4)とも会ってきましたが、富士山の伏流水で出来ている柿田川のあるところです。富士山が本当にきれいでした。また川ではカモが遊んでいました。富士山が懐かしかったです。

本土の皆様、失礼しました。追加させて頂きます
 沖縄の方にぜひ、富士山の美しさをお見せしたいと思い御紹介しました。別に本土の皆さんを忘れていた訳ではありません。今度は沖縄らしい景色を紹介させて頂きます。小生、実は引越し(小禄)してから気分的に忙しくて近くを散歩もしていませんでした。今日は少し早く帰宅し、近くを散歩してみました。今、沖縄は花、果実の季節でもあります。

 近所をほんの少し歩いただけでも、こんなにありました。ポインセチアがあり、もうクリスマスですね。
 ブーゲンビリアは常に咲いています。ツワブキももう咲いています。この黄色い花の名前はわかりませんが美しいですね。
 近くの家の庭ですが、パパイヤもこんなにたわわになっています。また島バナナもたくさん実がなっていて一本、二本、お願いして頂いても良いくらいです。
 また近くのお見せ(マチヤーグワーと言う何でも屋、フィリピンのサリサリ・ストアーですね)ですが、バナナはこのように吊して売っています。
 ガジュマルは沖縄では「抱きつきの木」と言って、他の木に写真のように取り憑いて成長します。その近くに少し変わったカラフルなシーサーがありました。
 本土の方に一度、体系的(?)にというのは、花にしてもその昔に中国、近くは台湾から渡ってきたものです。また戦後は南米に移民した人が持ち帰ったものなので、これらをいろいろ紹介したいですね。

 プライベートですが、私どもの教会で12月21日(日)午前10時より、クリスマス礼拝「メッセージ」金永秀牧師(沖縄キリスト教学院大学)、また12月24日(水)キャンドル・サービスをします。もしよろしければご参加しませんか。
 
       『クリスマスは教会へ』←クリックして案内チラシをご覧ください。





 





12/11

『オレオケミカル 11月号』(植物油脂の専門誌)に小生の論文「ビジネス・チャンス Jatropha(ジャトロファ)」
ご覧頂ければ幸いです。



『ビジネス・チャンス、温暖化対策とバイオ燃料』
-途上国と先進国を結びつける新しいビジネス・モデルの提案-

Big Wayは開発輸入方式で、インドネシアで約3万haの土地にジャトロファを植付け、バイオ・ディーゼル燃料として日本に輸入します。この大規模化によって、量、価格、安定した供給を可能とし、金融工学的な資金調達と、途上国と先進国を結び付けるビジネス・モデルを提案します。

1.アクションリサーチ、バイオ燃料(B100)
 
 私は本誌(OLEO CHEMICAL)の読者のように、油脂産業・企業の分野、業界を専門としているのではなく、地域計画・開発、環境管理計画(アセスメント)、それも現在は沖縄の振興計画、沖縄と東南アジアとの経済交流を専門としている。
 また、アクションリサーチと称して、理論と実務を結び付けるコーディネートにチャレンジしている。その一つとして、沖縄の環境、健康問題解決のために、沖縄の環境特性(東南アジアに近く、環境が近似している、気温10度以上、など)を活用してバイオ(100%、すなわちB100のパーム・オイル)燃料の輸入(1.5年間、160トン、5社、30台)の地域社会実験(NPOによる会員制供給)を実施し、普及のためのヒヤリング、データ収集などを行なった。
 
 なお、パーム・オイルは通年使用され、ほとんど何のトラブルも発生せず大変、好評であった。
 しかし初めの頃は大変で「先生、また調子がいいんだから、100%植物(オイル)で車が動く訳ないでしょう」、「エンジンが壊れたら、先生に責任を取ってもらいますよ」等々、散々だった。知っている会社に頼み込み、それも初めのうちは廃車寸前の車に使用してもらった。そして実際に使用した後、次第にパーム(バイオ)燃料の良さが理解されて、使用者(車)が増加していった。
 このようなことから専門外であるが、今回バイオ燃料に取組むことになった。異なった分野の物を読むのも、何らかの参考になるのではないか。「オレオケミカル」の読者の皆様、新参者ですので、よろしくお願いする次第である。

※私は「沖縄だからこそ本土メジャーに勝つ」というビジネス・モデルに取組んでいる。パーム・オイルの流動点は12度前後であり、日本では沖縄のみ通年を通して使用できる。
 また東南アジアは位置的にも近く、輸入にも有利である。なお、それぞれの地域特性、ビジネス資源を生かせば、「沖縄だからこそ」を「それぞれの地域」にと言い換えることが可能である。

<パーム・バイオ燃料、社会実験から学ぶ>

 このようなことで多くの使用申し入れがあったが、データの収集の観点から、いろいろなタイプの車、使い方をしている企業、さらに1社5台に限定させて頂いた。
 パーム・ディーゼル燃料の使用先(5社+α)でのヒヤリングから、いわばその本音をまずは紹介したい。

 ①常時、安定した資源(供給先)の確保、保障。
 ②軽油価格の変動に対して、それと比較して少しでも安価な価格を希望。
 ③流動点が12度前後であるが、沖縄の冬の寒い日でも安心して使用できるように、もう少し低温での使用も可能にして   欲しい。
 ここで少し気になるのは、企業はわれわれが目的としていた環境、健康問題、脱石油の解決、改善を第一目標に掲げていないことである。バイオ燃料の使用を、当該企業のステイタス(環境)の上昇に結び付ける、またCO2の削減と減税と結び付けるなど、企業利益とバイオ燃料の使用との間に、インセンティブが働く工夫が必要だった。この点を反省している。
 またこの社会実験が沖縄で大きな効果があったのは、100%植物のバイオ燃料が使えるという普及効果、PR、新聞などにも取り上げられた。

 つぎにこの社会実験のヒヤリング(使用先、さらに関係機関)、また収集データなどを踏まえて、われわれ側の結果とつぎのステップ(ビジネス化)を示してみたい。

 ①輸入バイオ燃料を安定化するために供給(原料)地の確保、そのための支援、地域振興。
 ②食糧とバッティングしないバイオ燃料への切り替え。
 ③流動点(5度以下)の温度引き下げ。
 ④バイオ燃料の環境問題解決、脱石油の貢献などのPR。
 ⑤バイオ燃料の国、県、自治体に対する支援、減税、等の働きかけ。沖縄ではまず全国へ先駆けて、これまでの実績を  踏まえて「バイオ特区」による支援を働き掛ける。

<パームからジャトロファ、開発輸入、自前の栽培地の確保>

 前述したステップを踏まえながら、さらに社会実験からビジネスの可能性を探り、つぎのような行動基本方針を決定した。
 ①燃料資源の変更。食糧とバッティングし、流動点が12度前後であったパーム・オイルから、非食用で流動点が5度前  後であるジャトロファに変更した。
 ②安定した燃料資源の量と価格の安定確保、またビジネス化のため、これまでの海外からの(完全)輸入型を開発輸入  型に変更、すなわち当該地域の地域開発振興などへの協力から、さらには一定量の自前の栽培地の確保である。

※当初、気温の高い沖縄では、ジャトロファ栽培とそのディーゼル燃料化の可能性を検討した。後述するような途上国、例えばインドネシアのパーム・オイルなどを例にして比較したが、ライフ・サイクル・アセスメントでも、沖縄の方が倍近い燃料消費量となる。
 また、面積当りの価格では、日本のサトウキビ(1反当り8トンの収穫高と仮定)の国の買い入れ価格が1トン当り2万円なので、ジャトロファの価格は20~30分の1となる。したがって、とても「地産・地消」は不可能である。
 そこで、沖縄での生産ではなく、先進国でも地産・地消を可能にする方法、すなわち後進国からの開発輸入を検討した。
 このようなことから、途上国で可能な地域の確保、またパートナー探しをはじめた。さらにビジネス・パフォーマンスを示すためのビジネス・モデルの作成、これを踏まえての資金調達をスタートした。

 このような時、後述するインドネシアBig Way International Indonesia Oil Ltd.と同スラヴェシ島、コラカ郡の農業法人KSU LAKKOとお会いし、その開発機構の主旨に協賛、賛同して、協力させていただくことにした。

2.Big Wayプロジェクトとは

 今、日本をはじめ先進国では、地域温暖化対策の一つとして、バイオ燃料資源として大規模な植物栽培用地を求めている。Big Wayプロジェクトは、開発輸入方式でインドネシア、東南スラヴェシ州、コラカ県で放棄されている約3万haの土地に非食糧のジャトロファを12ヵ村の人々と協同で植付け、それを搾油し、バイオ・ディーゼル燃料として沖縄・日本に輸入しようとするものである。そしてコラカ地域の生活改善(例えば自家発電など)と失業対策(1,000人)に結び付けようというものである。

 すなわち、これまで採算面、市場性から評価されていなかった土地が見直されてきたからである。それは前述した地域温暖化対策の必要性、化石燃料価格の上昇の中で、バイオ燃料(パーム・オイル、ジャトロファなど)の出現によって可能性が出てきた。さらにプロジェクトを大規模化することにとって、金融工学的手法、等が可能となりビジネス・チャンスが出現した。

 さて、Big Wayはつぎのような方針、守るべきこと、スタンスでバイオ燃料の開発輸入を実施することを明らかにする。

<原産地の持続の保障、バイオ燃料の特性>

 地球上のどこかで得られる太陽と水を原料とするバイオ燃料には必ず「原産地」がある。これが石油などの枯渇資源との決定的な違いでる。またその原産地が再生可能であるためには、持続可能でなければならない。バイオ燃料の原産地の熱帯林などの元が破壊されたのでは、それこそ元も子もありません。
 このように「バイオ燃料の利用推進」は、それ自身を自己、目的化するのではなく、原産地を保全することによって、持続可能な循環型社会を可能していくことが最大の特徴である。

<途上国と先進国を結び付けるビジネス・モデル>
 私は単にバイオ燃料の視点からだけでなく、本プロジェクトの特性である。すなわち開発輸入、海外開発を活用し、「先進国の地球温暖化対策(バイオ燃料)」と「途上国の生活改善」を結び付ける新しいビジネス・モデルを提案させて頂きたい。
 この新しいビジネス・モデルは、ジャトロファ油を生産する「原産地」と、自動車燃料を使う「消費者」とを有機的に繋げようとするものである。これは文字通り、大気中の光合成を通して、バイオ燃料によるCO2の吸収と炭素固定、そしてその消費と酸素分解である炭素循環プロセスを通して、有機的に結ぶというものである。これは、現在はまだ市場経済の「外部」におかれている地域、すなわち途上国の森林や農業耕作地を「内部化」、すなわち市場化を可能にしようとするものである。
 そして、地域社会で生き生きとした産業と雇用が生まれ、豊かな人間社会が創造されるような状態が生まれることが必要である。持続可能な地域社会こそが、環境保全の不可欠な構成要素などである。

<ビジネスによる実現化、大規模開発>
 現在、日本では大規模開発とは、あまり歓迎されない時代、言葉である。しかしW.W.ロストーの言うように『経済発展の初段階』で国の状況によっては、「テイクオフ(離陸)」の「先行時期」(大規模開発)がやはり必要なのではなかろうか。今の途上国、その中のある地域がまさにそれではなかろうか。
 日本にも同じ様な時代と状況があり、昭和37年の『全国総合計画』の第一次「拠点開発方式」であって、開発の遅れた地域を離陸・テイクオフするために使われたのは、大規模開発である。
 本プロジェクトによって大量のバイオ燃料の確保が可能になれば、そのスケールとスケール・メリットにより量的な確保、価格を引き下げ、安定供給を可能にし、そのことによって金融工学(証券化など)による資金調達を可能にする。
 さらに現在の途上国の状況では、直接国家による資金調査が困難であり、民間、それも国外に依存せざるを得ない。そこで、金融工学や排出権取引などを利用した、これまでとは異なったビジネス・モデルが必要である。つぎにこれらのことも述べてみたい。

3.提案、要望、疑問

 前述の基本方針を踏まえて、つぎに具体的な提案、要望を示したい。

<地域振興協力による一体化>
 その地域社会に生き生きとした産業と雇用が生まれなければ、環境問題も継続的なジャトロファの供給も不可能である。ジャトロファの開発計画も、その地域社会の発展の目的のために行なわなければならない。
 本地域での具体的な支援活動を箇条書きに示してみた。また、これは沖縄サイドで書いているが、それぞれの地域での特性を生かした支援がある。

 ①山間地開発で赤土流出防止など、沖縄の経験を生かした開発をする。既に産地の上部の開発、伐採は避けてもらっ  ている。
 ②幼児死亡率の減少。衛生設備、等の改善が必要である。
 ③ジャトロファの一部を使って、自家発電を導入し、夜間の電燈、テレビなどを可能にする。
  労働にはもちろんモチベーションが必要である。昔、大分県が一村一品運動で「梅、栗植えてハワイに行こう」があった  が、電気の導入、住環境の整備、若い人の夢、一家に一台のオートバイ購入などを考えている。例えば、将来の住宅  の模型などを作り、具体的プレゼンテーションをするなど。
 ④子弟の教育。我々も現地で日本語、日本のことを理解してもらうことが必要である。そこで沖縄大学の(別科)日本語   学科の入学を可能にすることなどを考えている。
  また最近、バイオ燃料ではタイなどがパーム・オイルの輸出禁止に踏み切った。ジャトロファの輸出禁止のカントリー・リ  スクは、インドネシアなどの途上国では可能性があると見て良いであろう。これに関して個別の対策はない。インドネシ  アに国、また対象となる地域と地域振興など、いかにその関係を深めてゆくかということである。それは、本プロジェクト  に取組んだ使命、地域振興、環境保全とも一致する。

<都市地域でも地産・地消を可能にする>

 バイオ燃料に限らず食糧、その生活物質への一つの生活スタイルとして「地産・地消」がある。これは、その地域で生産し、この地域で消費することであるが、しかしそれが可能な人々、地域は限定される。
 そこで、われわれが取組んでいる都市(先進)地域であっても、バイオ燃料の「地産・地消」が可能か、どのようにすればよいのか提言をしたい。
 私達は今、当該地域の持続性と保全に取組んでいるが、これを第三者機関に証明してもらい、これに対して「グリーン・バイオ証明書」のようなものを発行してもらう。このような証明書を発行してもらっているバイオ燃料を購入するのであれば、都市地域でも「地産・地消」を実行、可能にすることが出来る。

 これは特定の燃料(例えば証明書付きバイオ燃料)を生産したと『みなし』たり、また消費したと『みなし』たりするシステムである。バイオ燃料を生産している人が、実際に消費しなくても同様な効果が得られる。すなわち、ある燃料の生産者に対して、維持管理コストを支援し、原産地の保全をするというものである。

<もう一つの証券化、顔の見える関係>

 本プロジェクトの真骨頂の一つは、栽培面積、生産規模を拡大することによって証券化を可能にし、デリバティブ等によってリスクを回避し、資金調達を可能として、プロジェクトの実現化を図ろうとするものである。
 ここでは、現在問題になっているサブプライム・ローンのような、大きな数でリスクを補完し合うという発想の「大数補完」とは異なるもう一つの証券化を提案したい。
 それは、この証券化または出資による資金調達では「顔の見える関係」「(都市での)地産・地消の実現」が具体的に出来る関係を提案したい。この出資した証券を購入すると、自動車にバイオジャトロファ燃料を供給してもらえる。また、バイオジャトロファ燃料の価格を割り引くことにしたい。このことによって原産地と「顔の見える関係」や都市でも「地産・地消」が資本の面でも具体化できる。
 すなわち、ジャトロファ燃料を使用している消費者は、このころで原産地を意識し節約を考え、また逆に生産者は消費者を意識し、生産の意義と連携を持つことが出来る。

<京都議定書、国際的義務に公的支援を>

 このままの状況では、日本が国際的な約束をしている、CO2の排出目標を実現するのは、不可能なのではなかろうか。
 すなわち議定書が2005年2月に発行して、二酸化炭素排出量を2008年から2010年の間に、1990年度の二酸化炭素排出量の年間6%削減することが、わが国の国際的義務となった。しかし、いっこうに二酸化炭素排出量が減少せず、すでに現在(2006年)、90年度比で約14%増加しているのが現状である。

 そこで、2005年4月に閣議決定された京都議定書の目標達成計画では、2010年度において50万kℓがバイオマス燃料導入の目標とされた。
 一方、現在バイオ燃料(BDF)の国内生産量はわずか0.2万t/年である。しかしその一方、導入目標は50万ℓであり、これを達成するには輸入に頼らざるを得ないことは明らかである。それもこの2010年の目標、50万ℓは目前であり、達成はとても現実不可能といわれている。

 そこで本プロジェクトを検討すると、約3万haの土地でバイオ燃料(ジャトロファ)、植栽構想を試みている。具体的な数値を示すと、3万ha×8t種子/ha×0.35種子/油=8.4万tとなる。この8.4万tを仮にすべて輸入できるとすれば、50万tの目標値の約6%を達成することが可能である。

 本プロジェクトには、このような日本の国際的義務を支援する意味もある。ぜひ日本でも、欧米諸国に見られるように、明確な方向付けがあっても良いのではなかろうか。例えば、本プロジェクトの支援を従来型の海外援助である、高速道路や湾港投資のような公共事業に変わるものとして検討してほしい。また資金的な支援も検討してほしい。

<専門家の人にお願いしたい、ジャトロファとパーム・オイルの基本的な違いは>

 今、バイオ燃料は食糧とバッティングするパーム・オイルから、非食料のジャトロファへと生産効率が低下するにも関わらず、その移動が起きている。パームとジャトロファの本質的な相違は、食糧と非食糧という部分であろうか。

 さて、この動きとは別に、先月(9月9日~11日)に開催されたWOOC(世界油糧会議)でChandran氏のつぎのような発言をしている。食物が常に優先順位を持っていることが当然視されている「食物対燃料」の単純な議論は危険である。貧しい農民がバイオ・エネルギー作物を売ることによって、より多く稼ぎ、様々な食物を買うのが何故、悪いことなのか。食糧生産が食料品以外の収穫物より、道徳的に優れているというならば、その線を引かなければならない。誰が、そのような主観的判断をし、それらを実施する権限があるのか(著者:現在、市場が判断し実施している。またそれが大きな問題を起こしている)。

 私もパームとジャトロファの基本的相違は、Chandran氏の言うように食物か非植物かではない、私が考える相違点は、農村(集落)社会への影響の構造にあるとみている。
 パームの場合は、その特性で収穫した果実の脂質の分解が早く、24時間以内に蒸気で処理しなければならない。このことから、プランテーション・タイプの農場を大規模に集中的に作らざるを得ないのである。このようにパーム果実は、長距離の輸送に適さず、収穫地、近隣の工場で直ちに熱処理、搾油を行なわなければならない。
 その結果、ある集落がパームの栽培を選択するというより、森林、等を伐採してパームを栽培し、その収穫上の必要なある地点に住民を住まわせるということになる。

 ※パーム搾油工場の規模は原料であるFFB処理能力に換算して、50tFFB/dayのものが通常である。さらにこの搾油工場で搾った粗パーム油(Crude Palm Oil)を集める精製施設は、搾油工場10ヵ所ごとに設置されている。このようにパームプランテーションは、数ヵ所の搾油工場とセット、さらにその上に一ヵ所の製油所というユニットから構成されている。
 一方、ジャトロファはその処理に時間的に制約されないので、このようなことがない。スケール・メリットを求めればプランテーション・タイプ(大規模開発)の農場を作ることも出来る。また一方、集落で自家用のみのエネルギー燃料を求めるのであれば、小規模でジャトロファ栽培をすることも可能である。代替的に大、中、小規模を自由に選択することができる。パームとジャトロファの本質的な相違点を、専門家の方々にお聞きしたい。

<ジャカルタに吉川事務所を置かせていただきました>

 政府関係との交渉や、打合せでジャカルタに事務所が必要になります。Big Wayインドネシアの事務所に吉川研究室の事務所も置かせていただくことになりました。場所は非常に便利なジャカルタの中心部で、ジャラン・タムリン通りに面していまして「Menara BCA Grand Indonesia」です。
 なお、本論文の詳細については、小生のホームページ(http://www.h-yosikawa.com)、特にバイオ燃料の部分をご覧いただければ幸いです。
 また本プロジェクトは複合的、かつ大規模であるので、複数のタイプのビジネス・モデルがあるので、ご興味がある方は、お問い合せ頂きたい(E-mail:yosikawa@h-yosikawa.com)。






12/01

『Coming up Business Chance, Promotion of Jatropha with Biofuel
-a proposal of new business model connecting advanced coutries with developing countries-』


オレオケミカル誌 11月号 に小生の論文が掲載されました。
了解のもとにHPに掲載いたします。
また日本語版もありますが、両者の内容が異なりますので、近日中にこれも掲載させていただきます。』


『ビジネス・チャンス、温暖化対策とバイオ燃料 -途上国と先進国を結び付ける新しいビジネス・モデルの提案-』
『Coming up Business Chance, Promotion of Jatropha with Biofuel
-a proposal of new business model connecting advanced coutries with developing countries-』




11/20

『緊急報告 泡瀬埋め立て支出差止め、那覇地裁判決、ぜひ環境復元土木事業を』


 昨日、泡瀬干潟を埋め立てて、人工島を造成する工事に対して、県と市の公金支出差止めを求める住民訴訟、差止めの判決が出ました。
 事業の経済合理性を欠き、支出は地方自治体法に反して違法という理由でした。
 昨年12月に小生も裁判所で、事業の根拠の無さ、特に需要予測について、その誤り(判決では精度の正確性を欠くとなっていますが)を指摘しました。これなども認められたわけです。
 
 法政大学の五十嵐さんが「経済的合理性が認められていないと判断した非常に画期的な判決だ」と言っておられました明らかに誤った需要予測をしていたのですから、当然の結果だと思います。
 しかし、判決文でアセスメントの一部を認めていることは残念です。
 皆様に泡瀬がいかに美しく、豊富な生物がいるかをまず見てもらうのが一番です。少し前の記事になりますが、ご覧いただければ幸いです。○泡瀬干潟調査 -熱帯干潟のあらゆるタイプの生きた教科書-
 また、泡瀬干潟を守る会のHPもご紹介させていただきます。画像をクリックするとご覧いただけます。

                                こちらをクリックください→



 さて、提案させていただきます。
 今進められている、いわゆる一次工事をストップし、すでに工事を行なった箇所を元(工事前)に復元するというものです。20世紀は「環境破壊」の土木事業に対し、21世紀の土木事業は『環境復元』です。
 現にオランダの海岸線、ハーリングフリート堰(ライン川河口の締切り)や韓国・ソウル・清渓川(チョンゲチョン)の高速道路を自然河川に復元する事業が実施されました。
 
 熱帯、亜熱帯地域では、まだ「環境復元」の実施はありませんので、これに先駆けて沖縄でまず実験的に、この泡瀬干潟の復元に取り組み、ノウハウを開発し、熱帯、亜熱帯地域の国々へ技術提案や支援ができればと考えます。
 今回の一次工事は、事前(現況)環境アセスメントを含め、壮大な環境復元工事(実験)をしたと考えられればと思います。このようなチャンス、実験の場は現況環境アセスメントもあり、世界的にもめったにない試みです。復元工事の幾種かの方法に対して、どのような自然復元があるかを事後環境アセスメントにより、モニタリングします。
 また土木関係企業へも二次工事と同様の予算、収入になります。ぜひ御検討ください。
 これらの復元に掛かる費用については、国、地方自治体に働きかけを行ない、環境問題を含んだ予算からの支出をお願いしてはどうでしょうか。
※私の主張(9)をご覧ください



11/17

追伸 失礼しました。昨晩も咲きました(私が満月を間違えたのでしょうか・・)。









11/13

『今年最後(?)の月下美人が咲きました』



   

 バタバタしていると、一夜しか咲かない月下美人が咲くのを見過ごします。朝、研究室へ行くとき、咲き終わったのを見て、ああ昨晩咲いたのだと残念がっていました。
 昨夜は、前日からつぼみを見て、またカレンダーの満月なのを確認して、今夜は咲くのを確認しました。夜の11時頃、きれいに咲き、見上げると満月でした。また、あまり強くありませんがとてもよい香りもしていました。そして朝の5時には、花はしぼんでいました。

※失礼しました、ジャカルタの吉川事務所を訪ねられた方に。

 小生のHPをご覧になってジャカルタのジャラン・タムリン通り「Menara BCA Grand Indonesia」を訪ねられて、吉川研究室の名前が出ていないので、探された方々に。
 同ビル内のBig way Internationalをお訪ねになり、長岡氏(日本語可)もしくはイワン氏(英語可)にコンタクトしてください。(英語可)



10/02,09,11/06,10

『ジャトロファ(Jatropha)、安定供給プロジェクト、インドネシア・スラウェシ島』(Ⅱ部 理論編)

 -途上国と先進国を結び付ける新しいビジネス・モデル-
※読み直してみたが、やはり自分に都合の良い主張が見られる。御批判を頂きたい(E-mail:yosikawa@h-yosikawa.com)、それに基づいて修正に
努めたいと思っています。

※※追加、書き直しをしていると、いつ終わるか分かりませんので、修正、追加、また重複の削除あり、ということで、今日HP(仮)アップさせて
いただきました。

※※※10/09に図、写真等の追加も含め修正をしました。


                           <目 次>

1.Big Way Project (バイオ燃料、海外開発構想)とは何か
(1) プロジェクトの概要、3者の役割、分担
(2) 構想の背景、そのニードとサプライ
(3) 本プロジェクトの特色、大規模開発
(4) 本プロジェクトの考えられるリスク
-バイオ燃料政策から企業戦略まで-
実現不可か、京都議定書の国際的義務
輸出禁止、などのカントリー・リスク
証券化、その問題点と課題
2.途上国と先進国を結びつける新しいビジネス・モデル
-吉川研究室の提案-
(1) 新しいビジネス・モデルとは
(2) 環境は、持続可能な地域社会によって保全される
(3) 農村社会を変革する、ジャトロファとパームの基本的な相違
(4) ジャトロファ事業は、大規模から小規模栽培まで選択可能
(5) 都市でも地産・地消を可能にする
3.問題解決の提案
-1.、2.を踏まえての提案ー
(1) バイオマス・ニッポンを可能にする
(2) 地域振興、生活水準向上対策による地域との一体化
   (3) もう一つの証券化、問題解決(顔の見える関係)の提案 


1.Big Way Project (バイオ燃料、海外開発構想)とは何か
(1) プロジェクトの概要、3者の役割、分担
 本プロジェクトを具体的なケースにして日本のバイオ燃料(ディーゼル)海外開発プロジェクトの
提案をさせて頂きたく、まず概要、特色を述べさせて頂きたい。

 今、日本をはじめとする先進国では、地球温暖化対策の一つとして、バイオ燃料資源として、
大規模な植物栽培用地を求めている。本プロジェクトはこれに対応して開発輸入方式で、インド
ネシアのスラウェシ島、東南スラウェシ州、コラカ県(地図参照)で放棄されている約3万haの
土地に非食糧のジャトロファを植付け、それを搾油し、バイオ燃料として沖縄、日本に輸入しよう
とするものである。

 このプロジェクトはインドネシア法人、Big Way International Indonesia Oil Ltd.(以下、Big Way
と略記)と現地の農業法人、KSU LAKKO(以下、Lakkoと略記)の協同事業で、これに日本の
吉川研究室株式会社(研究室と略記)が加わらせていただきます。吉川研究室が加わらせて
いただいた経緯については、HP9/12「1(2)バウラ村と沖縄、そしてわれわれとの関係」を参
照されたい。

Big Wayの代表(CEO)坂本氏。年齢を超えた
、インドネシアとビジネスに対する熱意に尊敬。

Lakkoの主宰者、シラジュディン氏。ジャケットの右側はジャトロファをデザインしたマーク。その意気込みが伝わる。
研究室の吉川。背景は植栽の様子を示しています。手前が大豆、その後ろはジャトロファです(私は別に歯が痛いわけではありません。少し緊張しているだけです)。

<3者の役割・分担>
 Big Wayは本プロジェクトの全体のデザイン、経営戦略、資金調達、調整・コーディネイト、交渉が中心である。
 Lakkoはジャトロファ栽培技術、実施、原産地の確保、原産地村民との調整・交渉、インドネシア政府、コラカ県との交渉が中心である。また、当該地域の失業者(約1,000人)の雇用対策も考えている。

 吉川研究室がプロジェクトに参加した理由は、ジャトロファは食糧とバッティングしない非食物で、バイオ燃料の開発と、それによる地域振興、貧困対策に共鳴したからである。また、本プロジェクトはBDF(バイオ・ディーゼル・フュエル)ではなくSVO(ストレート・ベジタブル・オイル)を採用し、環境問題、そして、これは沖縄の気温特性に有利だからである。*注・1

 さらに次のことを新たに追加させていただきたい。これは今回、インドネシアの現地を見て強く感じた。
 パーム・オイルの原料のアブラヤシ栽培はその果実の特性から、大規模、集約的なプランテーション農業にならざるを得ない。これに対してジャトロファは大規模、集約的、開発も、また小規模のみにも選択が可能である。このことについては2.(3)に述べることにする。
 また吉川研究室はこの他、沖縄で2年間(160t、5社、30台)、パーム・オイルの社会実験を行なった、そして日本でのバイオ燃料の普及、社会実験などについては既にHPにあるので、バイオ燃料を参照されたい。また政策(国等に対する提案)はⅢ部政策論を予定している。

(2) 構想の背景、そのニードとサプライ
 本構想が出現した背景、いわば需要(ニード・サイド)は地球温暖化対策の一つとして、バイオ燃料、すなわち植物(油糧作物)燃料を使用することで、カーボン・ニュートラル(CO2フリーガソリン)を実現しようとしたことにある。とくに京都議定書('97年12月)から、先進国などに対して2008年~2010年の間に温室効果ガス6種を1990年比で一定数値を消滅することを義務付けている(なお日本は6%の削減には、法的な拘束力がある)。

 これらのことを実現するために先進国は、途上国でのバイオ燃料の調達・輸入さらには開発輸入の需要が高まり、EUを中心に実施されている。これまではバイオ燃料として、植物組織(ディーゼル油に類似)と搾油効率の良いパームを中心に調達されていた。しかしパーム燃料のアブラヤシの栽培地が熱帯林を侵食し、環境破壊が問題となった。一方、ジャトロファはアブラヤシと比較すると搾油効率は落ちるが、荒地や乾燥地でも育成ができることから、農地や森林を破壊することなく可能である
 このジャトロファの使用ニーズに対して、一方で供給(サプライ・サイド)が可能になったインドネシア側の事例を説明しよう。
 1990年代、インドネシアでは、当該地域も含まれる「開発の遅れたインドネシア東部地域をどうやって開発するか」が大きな課題となった。なお「インドネシア東部地域」は1993年にスハルト大統領決定によって定められた新しい概念である。そして本地域はインドネシアの面積の約7割を占める一方で、人口は18%に過ぎない。
 
 そしてここでは、1991~1997年にJICAも協力し「農業農村開発計画プロジェクト」がモデル地区(東南スラウェシ州クンダリ県の5郡8村)で実施された。農民は上記農村プロジェクトによる耕地化の実例に刺激され、定着農業を始めることの有利性を実感した。これは東南スラウェシ州のように、稲作も畑作も後進であったからだといえる。少しく極端に言うと、サゴヤシ採集農業と伝統的焼畑農業が中心の粗放的農業が続けられていた。言ってみればゼロに近い状況から農業農村開発を始める環境だったのが耕地化にプラスに働いたといえる。
 さらにこの中でも放棄された土地、また森林を伐採した後に、アラン・アラン草(Alang alang)が侵入して、森林も回復しないし、耕作地にも不可能な土地でのジャトロファの活用である。*注・2
(3) 本プロジェクトの特色、大規模開発
 本プロジェクトの特色の一つは、日本ではなかなか実現しない地球温暖化対策(バイオ燃料栽培)を訪れたチャンス(ニードとサプライ)として活用し、大規模プロジェクト(方式)導入によって可能にしようとするもの、と私は理解している。本プロジェクトが実現化し、大量のバイオ燃料の調達が可能になれば精製、輸送などのスケール・メリット、安定供給、そして金融工学(証券化など)による資金調達、バイオ燃料の排出権取引、クリーン開発メカニズムの導入などいずれも大規模開発を前提にして、これらの手法が可能である。 
 また、本プロジェクトはわが国が国際的に義務づけられた、次のようなCO2排出削減に貢献しようとするものである。閣議決定された「2010年までに50万kℓのバイオ燃料の導入」の少なくても約6%を本プロジェクトで達成することができる。一つのプロジェクトで、この程度の数量を達成できれば、全数量(50万kℓ)をクリアーすることも可能である。また国際的にも日本がCO2削減に真剣に取り組んでいることをアピールするには、一つのプロジェクトで10万kℓ単位の導入を示す必要がある。

 前述したようにインドネシア東部地域のような開発の遅れた地域を離陸・テイクオフ(農業、農村開発)するために、その開発資金を捻出するために大規模開発に頼らざるを得ない。このことは、これまでの世界のテイクオフの歴史、また後述するように昭和37年の『全国総合計画』第一次の「拠点開発方式」を見ても明らかである。

 さらに、今回のように国にあまり開発資金を依存せず、民間独自で調達しようとすると、巨額となり、どうしても大規模開発にならざるを得ない。
 しかし、この大規模事業の持っている問題、課題もまた多い。これらの問題を少しでも解決するのが、小生の役割だと思っている。一例として社会的、また環境問題について、拙著『環境アセスメントの基本手法』目次を参照されたい。

大規模開発計画方式、植付けをする土地(3万ha)です。

 さて現在、日本では大規模開発は、あまり歓迎されない時代である。しかしW.W.ロストーの言うように『経済発展の諸段階』で国の状況によっては、「テイクオフ(離陸)」の「先行時期」がやはり必要なのではなかろうか。今のインドネシアが、まさにそうではなかろうか。

 日本でも同じような時代と状況があり、私的なことにもなるが私のように「鹿島工業開発」に感動して地域開発の途に入った者は、どうしても今回のBig Way Projectが重なる。この鹿島工業開発(『全国総合計画』の中の一つとして1960年に構想、立案)は、これまでまったく価値がなかった鹿島灘に面した広大な土地を掘込港という技術の導入によって港を作り、工業基地建設を可能とした。そしてこの工業化の力を使って、農業(当時、芋しか採れなった土地を米作)も可能にするという「農工両全」「貧困から開放」(当時・岩上知事方式)を目指したものであった。

 そしてこれを実現するためには、どうしても一定の規模が必要であったし、そしてこの結果、日本の産業のテイクオフに貢献した。これについては「大規模開発プロジェクトとは何か -柔構造社会システムの手段として-」「沖縄新規模開発プロジェクト論」を参照されたい。

(4) 本プロジェクトの考えられるリスク
-バイオ燃料政策から企業戦略まで-
 ここに述べたBig Way Prolectの構想は、他者からみると、都合のよい一方的な主張とも思われる。
そこで私が考える、本プロジェクトのリスクを明らかにしておこう。
実現不可能か、京都議定書の国際的義務
 このままの状況では、日本が国際的な約束をしている、CO2の排出削減目標を実現するにはリスクがあり、不可能なのではなかろうか。
 すなわち議定書が2005年2月に発効して、二酸化炭素排出量を2008年から2010年の間に、1990年度の二酸化炭素排出量の年間6%削減することが、わが国の国際的義務となった。しかし、いっこうに二酸化炭素排出量は減少せず、すでに現在(2006年)、90年度比で約14%増加しているのが現状である。

 そこで、2005年4月に閣議決定された京都議定書の目標達成計画では、2010年度において50万kℓがバイオマス燃料導入の目標とされた。さらに環境省エコ燃料利用促進会議は、2020年に200万kℓ、2030年に400万kℓ(後に600万kℓに修正)の導入目標が示された。
 一方、現在バイオ燃料(BDF)の国内生産量はわずか0.2万t/年である。しかしその一方、導入目標は50万kℓであり、これを達成するには輸入に頼らざるを得ないことは明らかである(詳細はHP7/10「沖縄がバイオ燃料を輸入する理由」を参照)。それもこの2010年の目標、50万kℓは目前であり、達成はとても現実不可能ではなかろうか。

 さらに、欧州ではドイツをはじめとして、東南アジアで生産されているパーム油をはじめジャトロファの買付けが、かなり以前から組織的(国際的)、大規模に行なわれていることから、日本ではさらなるあきらめムードが大きい。日本は国際的な約束を果たせないという、大きなリスクを抱えることになる。
輸出禁止などのカントリー・リスク
 海外プロジェクトの展開に伴って、ここでの対象国、すなわちインドネシアでの政治、経済、社会、環境の変化によるカントリー・リスクがある。これはデリバティブなどによって回避することは難しい。
 最近、バイオ燃料ではタイなどがパーム・オイルの輸出禁止に踏み切った。ジャトロファの輸出禁止のカントリー・リスクは、インドネシアなどの途上国では可能性があるとみてよいであろう。
 これに関して個別の対策はない。インドネシアの国、また対象となる地域と地域振興など、いかにその関係を深めてゆくかということである。それは本プロジェクトに研究室が取り組んだ使命、地域振興、環境保全とも一致する。

 またメガワティ政権下、2001年に「地方分権化関連法」が施行され、地方自治の拡大、民主化で、今までと異なり「権力の分散」が進んでいる。このような中で地域と一体化してプロジェクトを進める、例えば生活水準向上対策等とジャトロファ栽培を結びつけることによって、ジャトロファの永続的供給を可能にしようとするものである。*注・3
証券化、その問題点と課題
 本プロジェクトの、そのポイントは、栽培面積、生産規模を拡大することによって証券化を可能にし、デリバティブ等によってリスクを回避し、資金調達を可能として、プロジェクトの実現化を図ろうとするものである。
 しかし農業のように天候などから影響を受けやすいプロジェクトに対して、キャッシュフローを証券化する例は日本にはあまりない。東京スター銀行('05年8月)が4億円の証券化を行なっているが、これは農業分野においては初のケースである。しかしこれは工場栽培農業であって、比較的、天候などの影響は受けない。

 またこの農業証券を保証する格付け会社(例えばムーディーズ)がない。そこで天候デリバティブ(野村證券が開発)などを組合わせたリスク・ヘッジができる新しいタイプの証券化を提案したいと思っている。また村全体の経済効果がある程度のスピードでゆきわたるには、このような大規模開発が必要かもしれない。

 また現在問題になっているサブプライム・ローンのような、大きな数でリスクを補完し合うという発想の「大数補完」とはまったく逆の提案(顔の見える関係)を後述する3.(3)にしたい。
 また証券化などの基礎になる本プロジェクトの現在価値を試みたDCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)については後日、予定しているⅢ部で示すことにしよう。ここでは諸デリバティブを組合わせ、最もリスクを大きくし20%のディスカウント・レイトを示してみた。このことによって本プロジェクトの現在価値、また証券化するための規模を知ってもらいたい。

2.途上国と先進国を結びつける新しいビジネス・モデル
 -吉川研究室の提案-
(1) 新しいビジネス・モデルとは
 これまでは採算面、市場性から評価されていなかった土地が見直されてきた。それは地球温暖化対策の必要性、また化石燃料の価格の上昇の中で、バイオ燃料(ジャトロファ)の出現によって可能性がでてきた。さらにこれを大規模化させることによって、証券化などの企業的な現代的な金融工学手法を使って、その現実化をさせようとするものである。

 しかし私はこれまでの体験を踏まえて、つぎのような提案をしたい。
 それは主宰Big Way(前述) とは少し異なるかもしれないが、私はビジネスの視点からだけでなく「先進国の地球温暖化対策(バイオ燃料)と途上国の生活水準向上問題解決を結び付ける新しいビジネス・モデル」を提案させて頂きたい。また一方で、その問題点も理解しているつもりである*注・4

 この新しいビジネス・モデルは、ジャトロファ油を生産する「原産地」と自動車燃料を使う「消費者」とを有機的に繋げようとするものである。これは文字通り、大気中の光合成を通して、CO2の吸収とバイオ燃料による炭素固定、そしてその消費と酸素分解である炭素循環プロセスを通して、有機的に結ぶというものである。これは現在はまだ市場経済の外部に置かれている地域、すなわち、途上国の森林や農耕地の環境保全・再生、社会開発を当該プロジェクトを導入することによって、これらの環境価値や社会的価格を内部化、すなわち市場化を可能にしようとするものである。 
 以下に、その具体的な方法を述べてみたい。               
(2) 環境は、持続可能な地域社会によって保全される

 私がⅠ部で、写真でも紹介したように、1m弱の野生の水牛、アノアを見て、スラウェシ島を「魔法にかけられた島」と命名しましたが、このように私にとってはとても思い入れのある動物ですが、それが食べられて頭がつるされている写真があります(当地の環境保護団体LKPのHPの写真)。とてもショッキングなので直接、掲載することが出来ませんでした。
 アノアは確かに国際的には貴重種で保護すべき対象であるかもしれませんが、地元では貴重なタンパク源で食糧の対象なのです。もしアノアを永続的に保全しようとするのであるなら、アノアを食べなくてもその地域の人々が生活できるようにしなければなりません。環境は、持続的可能な地域社会によってはじめて保全がされるのです。
 当該地域の環境問題の解決、保護は単に森林に手を付けずに保全したり、アノアのような貴重動物を柵で囲ったりするのではありません。地域社会で生き生きとした産業と雇用が生まれ、豊かな人間社会が創造されるような状態が生まれることが必要である。持続可能な地域社会こそが、環境保全の不可欠な構成要素なのである。そのためには吉川研究室がこれまで取り組んできた地域振興計画、生活水準向上対策、さらには環境保全を総合化して、本プロジェクトに取り組むことが必要です。
 以前、国の環境評価(アセスメント)専門委員をしているとき、沖縄・西表島で東と西の集落を結びつける横断道路建設をめぐる問題がありました。これは前述したアノアの時と同じで「イリオモテヤマネコの保護か、住民の生活環境か」です。両者が両立する案、横断道路建設を中断して、高速フェリーの運航と西側に医療施設を作るということで解決しました(「環境アセスメントの基礎手法」)

その地域に行くのが大変です。トラックのタイヤにはチェーンも必要です。トラックもところどころ通れなくなり、押したりです。これも楽しみです。

途中迄、迎えに来てくれた住民の皆さんと記念写真を撮っている所です。 幾度も話し合いをしました。

(3) 農村社会を変革する、ジャトロファとパームの違い
 プロジェクト対象地域であるインドネシア・スラウェシ島、コラカ地区を見て、これまでインドネシアで講義し、コーディネイトしてきた地域振興促進(Regional Promotion Theory and Practice)を実施してきた地域とは、大分、異なる。
 当該地域はインドネシア自身が貧困地域と指定し、失業、出稼ぎが多く、これらの地域の生活水準向上を中心にした変革を呼びかけている。現に対象地域の11ヵ村から現在、失業している1,000人の雇用と、さらに出稼ぎに出ている1,000人の雇用を依頼されている。

 そのためには当該地域に新たな換金作物などを導入するなど、生活変革を起こすことが必要なのではないか。このような時にバイオ燃料資源開発は、いわば先進地域のニードと生活水準向上が必要な地域のサプライとを結びつける、換金作物として検討、今、現実的な一つの方法ではないかと思われる。
 そして当初はパーム・オイルが採用されたが、幾つかの問題があり、今、ジャトロファが選択されつつある。
 この両者の基本的な相違点は、ジャトロファはパーム・オイルのように食糧とバッティングしないという点ではなく、下記のような農村(集落)社会への影響にあると私は考えている。(2.(1)参照)

<ジャトロファとパーム、基本的な相違点>
 私はこの両者の持っている相違は、農村(集落)社会への影響の構造にあるとみている。パームの場合は、その特性で収穫した果実の脂質の分解が早く、24時間以内に蒸気で処理しなければならないことから、プランテーション・タイプの農場を大規模に集中的に作らざるを得ないのである*注・5
 その結果、ある集落がパームの栽培を選択するというより、森林、等を伐採してパームを栽培し、その収穫上の必要なある地点に住民を住まわせるということになる。

 一方、ジャトロファは収穫後すぐに上記で熱処理する必要がないので、スケール・メリットを求めればプランテーション・タイプ(大規模開発)の農場を作ることも出来るが、一方、集落で自家用のみのエネルギー燃料を求めるのであれば、小規模でジャトロファ栽培をすることも可能である。代替的に両者を自由に選択することができる。パームとジャトロファの社会に対する本質的な相違は、このような社会(集落)構造に対する影響なのではなかろうか。

 以下、今回のインドネシアでの調査を踏まえて実感したことを述べてみたい。
 このジャトロファ油の一部を自分達の自家発電(以下のものであれば精製の必要がなく、そのまま使用できる)、村の物資運搬のトラックの燃料に使用できる。
 一方、電気を引けない農村では、自家発電用の軽油購入のための元金が必要となる。一例を挙げてみよう。村で恵まれている家の例で、1日2ℓ(夜だけの使用)を使う。一ヵ月のこの燃料代が4,200円(1ℓ70円×2ℓ×30日)と、現金収入のあまりない農家にとっては大変な負担で、ほとんどの家では使うことができない。これによって全農家が使用できるようになれば、大きな変革が起こると思う。
 また、農村で輸送のためのトラックの燃料も大きな負担となっている。電気が通り輸送ができれば、われわれが協力できるいろいろな可能性が拡がる。
 さらに、ジャトロファの油を搾った残りを燃料として使うことができる。これは今まで薪炭を使っていた代わりになるので、森林が伐採されなくなり、環境問題もかなり改善される。
  
ジャトロファが成長するには約1年かかります、食いつなぐために
まず大豆を植えます。

大豆の植付けの状態です。
  
集落には電気は通っていません。
こんな古い自家発電機も使っています。
(4) ジャトロファ事業は、大規模から小規模栽培まで選択可能
~一方、パーム栽培はプランテーション型大規模開発~
①ジャトロファ開発に伴う環境容量(植生を指標)

 ジャトロファの栽培事業の持つ特色は、パーム栽培事業がプランテーション型の大規模開発に対して、大・中・小と選択できることを述べた。これに対して友人達から、集落での具体的な土地利用のパターンを示さないと、なかなか理解できないし、イメージができないと言われた。吉川研究室の特色の一つは、環境計画である。そこでこのジャトロファ栽培を中心にした、土地利用計画を具体的に示してみることにする。
 まず両者が異なる大きな理由は、両者の果実の脂質の分解酵素(搾油条件)の違いであることはⅡ部理論編※5.で述べてあるのでこれについては省略する。
 質問に答えるには、ジャトロファ栽培の選択が地域、土地で具体的に可能か、フィージビリティーを示すことであろう。本農地の改善事業は、主としてLakkoの専門家のSiraduddin氏が対応することになっているが、取りあえず、質問に対して私の見解、アイディアを述べてみたい。

 私のこれまでの調査、研究の中で、この課題に応用できそうなものは次の二つである。具体的な対象地域の一つ、ティノンド村(1と略記)は山間部でのジャトロファの栽培である。もう一つがラロラエ郡の11ヵ村(2と略記)で、放置されている耕作地の平坦な地域でのジャトロファ栽培である。
 1は山間地で現在の植生がそれぞれの環境に多様に対応しているので、これを手掛かりにジャトロファ栽培計画の代替案を示してみたいと思う。
 これへの対応は、私は植生図による土地利用計画の沖縄の亜熱帯での研究があるので、これを応用してみたい。
 
 これに対して2は耕作放棄地であって、ほぼ均一の土地、また耕作地であったので植生はそれほど変化がなく、植生分析からでは手掛かりが難しい。この耕作地が平坦でかつ広域的であるので、むしろ雨季の排水が問題となるので、それには水系への対応(変化、インパクトを与えない)することが重要となる。これへの応用は、インドネシア、ジャッカルタ近郊のチェン・カレン地域が当該地域の特性と類似している。以前、私がチェン・カレン地域で水系を重視した開発(住宅)計画をしたので、この経験(失敗を含めて)を活用してみたい。

 またこのジャトロファは、通常の農作物が栽培できない乾燥地や荒地でも耕作が可能ということが評価されている。しかし、ジャトロファは何も好んでこれらの土地に特に適しているわけではない。水と肥料を供給すれば、土地生産量(性)、また種子の搾油量も増加する。詳細なデータについては、別にするが搾油量にしても、水と肥料を充分供給したものは45%(Max)、また一方、荒地では20%ぐらいである。これは栽培した体験であるが、これでもかなり差がでることがわかる。
 集落全体で優良農地に本格的にジャトロファを栽培すれば、かなりの収入があり集落と個人の両者が、かなりの生活改善が可能ではないか。
 また一方で、優良農地は他の作物に使い、他の作物にはあまり適さない土地にジャトロファを植えるという方法もある。そこで得られた油で、個人の自家用の発電機や集落のトラックなどの燃料に使い、生活改善に使用するという方法もある。
②山間地でのジャトロファ土地利用

 さて、これらのことを踏まえて環境容量を考慮した、土地利用の具体的な幾つかのタイプのイメージを示してみたい。
 まず対象地域の地形分類図を示してみたい。

           
                       図-0 地形分類図、地形断面図

     
                           図-1 現存植生図     

      出典;「沖縄県土地利用基本計画」付属資料政策科学研究所



 対象の具体例にする小浜島は、北緯24度20分、東経123度40分に位置し、面積8.27k㎡、周囲14.5k㎡の亜熱帯雨林に属し、植生は熱帯の最北端のケナガエサカキ-スタジイ群落である。島のほとんどが代償植生である。人為的なプレッシャーを受けている。また、自然植生の残存しているのは、急斜面や砂浜が中心である、石灰岩植生のアコウ-ガジュマル群落、海岸林のハスノハギリ群落、入江、河口のマングローブなどがある(詳細は省略)。

 図-1に示した植生図はいわゆる現存植生図で、現在ある植物を植物社会学的に、類型化した群落の配置図である。この現存の植物図に図-2の植物遷移による復元を考慮することによって、ここで対象にしているジャトロファの生育できる土地の特性を推定、理解することが可能である。

    
                                図-2  植物群落の位置づけの例
    
    出典;「沖縄県土地利用基本計画」付属資料政策科学研究所

 この小浜島の植生図を見てもわかるように、ほとんどの土地は人為的なプレッシャーを受けているので、本来の土地の特性を見ようとするときは、これらの人為的なプレッシャーが加わる前の植生(急斜面やウタキなどに残存している自然植生で推定)が何であったかを調べる必要がある。そのためには、生態学における遷移(サクセッション)という概念を利用して、その復元を試みることが必要である。
 小浜島における人為的プレッシャーが強い植生、いわゆる代償植生といわれるものから、自然植生へのサクセッションを示したのが前掲の図-2「植物群落の位置づけの例」である。
 これに従って、代償植生を自然植生へ還元したのが、潜在植生図と言われるものであって、これによってその土地の持っているポテンシャリティーを検討することが可能となる。しかし現実には潜在植生図を復元作成することは困難なので、図-1「現在植生図」を図-2「植物群落の位置づけの例」によって潜在植生図をいわば復元して、それに基づいて自然度を評価をしたのが、表-1の左端の自然度である。なお、5が上位で以下は順次、評価が下がる。
   

          表-1 植生群落による土地利用評価
         適正分野
群落名
自然度 保全地域
(水資、多様性、風衝)
農耕適地 ジャトロファ適地
アコウ-ガジュマル
ハスノハギリ
アダン
アダン-オオハマボウ
ソテツ
マングローブ
海岸砂丘上植物
畑地雑草
水田雑草
チガヤ
ススキ
リュウキュウチク
ギンネム
リュウキュウマツ
ソウシジュ
フクギ
モクマオウ
出典;「環境工学の体系化」吉川博也、1976年(その後、加筆したものです)


 さて、つぎに私のスタンスであるが自然度(環境容量)から見た保全地域、農耕適地、ジャトロファ適地の評価を述べてみたい。自然度は、図-2、表-1とから、いわば客観的に評価したものである。
 環境保全地域は、表-1の順位の高い自然度の水資源域や群落の面積を加味して決定した。これを図に示したのが図-3_1である。しかしこの保全地域はまったく人間が手を加えないということではない。農耕地(ジャトロファも含め)としてはアクティブ的には利用しないが、薪炭林としたり、レクリエーション地域としては利用可能である。

 つぎに農耕適地は肥沃な、水も豊富、耕作もし易い土地を評価した。
 また、ジャトロファ適地とは、ジャトロファは前述したように乾燥地、荒れ地などにも可能であるということから、農耕適地とは逆、すなわち農耕地にあまり適さない土地を評価をし、それに耕作のし易さはプラスに評価した。
 これらを考慮して、ジャトロファを中心にした農耕地域を具体的に、それぞれの適地を図面<ジャトロファ農業振興地域として>で示してみた。


<ジャトロファをテーマにした農業振興地域>
図-3_1 環境・水資源、多様性保全地域 図-3_2 ジャトロファを自家用として地域
農耕地はできるだけ残し、ジャトロファ適地の評価の高いものを利用する。
図-3_3 ジャトロファ・他作混合地域 図-3_4 ジャトロファ主要地域
農耕地とジャトロファのバランスを取って、両者が混合できるものとした。この混合地域はそれぞれ地域の選択で対応可能であるので、一例を示した。 ジャトロファ主要地域として、ジャトロファ(逆に言えば保全地域除いたを)が可能な農業地を示した。

さらに、前述した環境保全、農業振興などを含めて、総合的に示したのが図-4の「土地利用基本計画」である。

       
                        図-4  土地利用基本計画
      
        出典;「沖縄県土地利用基本計画」付属資料政策科学研究所

③平坦な耕作放棄地でのジャトロファ土地利用
 比較的フラットな土地のジャトロファという単体作物の利用になるので、特に多様性の確保、保全に留意する必要がある。特に2の対象地域の特性、課題が雨季で、湿原化するような土地では水系保全に留意する必要がある。また一方で開発する側の特性が、大規模開発である場合を考慮して箇条書きで示してみた。
 
 1)生態系秩序を理解し、生態系とのバランスの取れた土地利用を考えるべきである。
 2)熱帯地域においては、画一的で大規模な土地利用は不適当である。
  ・ジャトロファのみ単一の土地利用だけでなく、できるだけ複合的な利用に努める。
 3)現存している水田、養魚場など、湿地帯の保全はもとより、さらに増加に努める。
  ・フラットな土地なので、現在ある湿地をできるだけ残し、また水系を保全するようにしたい。
 4)当該地域はその大部分は、なだらかな傾斜、平地であるので、できるだけ残存林は残し、さらにその増加 に努める。
 5)土地環境情勢は、総合的・広域的に活用する必要がある。

 この大規模開発の留意点(箇条書き)を踏まえて、対象地域で水位調整上、重要な保全地域、また多様性・畑地保全そしてジャトロファ振興地域など分かりやすく具体的に示してみたのが後述の写-1である。(※)

 まず前述した地域の地形図と地質図を図-5_1、2で示した。つぎに自然環境を踏まえて土地利用のクロスセクションを図-6に示した。さてこの図-5_1、2、図-6に似類させて対象地域の水位(洪水も含め)調整、水源保全、また多様性、畑地などの保全、そしてジャトロファ振興地域の写真を写-1に示して、皆さんに概要をご理解しやすいようにしました。
 つぎに英文で申し訳ないが、これらを総合化して表-2「自然環境タイプ」(以前のジャカルタのCengkareng地域で提案した)を参考にしてもらうためTypeⅠ~Ⅳを示した。またこの土地での具体的な展開を図-7に示した。

(※)営農、土地利用のプレッシャーが加わるが、この土地でジャトロファ栽培を展開していくのに対して、何を留意しなければならないか。また、多様性を確保するためにジャトロファ以外の農作物の保全や、農作物の集積地、搾油地などのため雨季でも水を避け(防水のため)、排水しなければならない場合、全体の水系に影響を与えない場所はどこか。対象地域に一定の単位でGreen axis (次回、提示)のようなものを設定して、排水などを考えたい。
 今回はその計画をした図のみを示しており、詳細は現在、いろいろ計画しているところである。

        
                     図-5_1  地形図(Topography)
                           
         出典;「The Synthesis of Ecological Planning and its application」,吉川博也,1980


        
                    図-5_2  地質図(Geographical Map)
     
       出典;「The Synthesis of Ecological Planning and its application」,吉川博也,1980

     
                   図-6 土地利用のクロスセクション

      出典;「The Synthesis of Ecological Planning and its application」,吉川博也,1980


写-1

         水位調整
         水源保全
      保全、多様性
      保全、畑地
  ジャトロファ振興対象地域
水田 バナナ畑 熱帯サバンナ平地
養魚場 雑木林 平地
現在はない
新たに溜池をつくる ヤシ畑 アラン・アラン原野


                          表-2 自然環境タイプ
        

       出典;「The Synthesis of Ecological Planning and its application」,吉川博也,1980


            
                         図-7 Cengkareng地域の土地利用計画
        
           出典;「The Synthesis of Ecological Planning and its application」,吉川博也,1980

④ジャトロファ栽培自身の多様化
     単一のジャトロファ栽培では、農家自身もさらに多様化する必要がある。シラジュディン氏が提案し、現在一部で実施している、その例を紹介したい。
 図-8のように中心部にトウゴマを植え、その両端(4両)にジャトロファを植える。そしてさらにその間にピーナツを植えるというものである。このようにピーナツを間に植えることによって、植生が多様化する。
 それと同時にジャトロファが生長し、油が充分に搾れるようになるのに1年1.5年も掛かるが、それ以前にピーナツは収穫することができる。
 同様にトウゴマによって多様化を促進すると同時に、ジャトロファは矮化をして収穫しやすくしている。トウゴマ(5~6米になる)がジャトロファを暴風から防ぐ役割もしている。
 また、われわれの実験結果では、トウゴマの油を使用するとエンジンのスタート・ダッシュが良くなるので、ジャトロファとトウゴマの両者をミックスして、供給することも検討している。(※、※※)
 ピーナツではなく大豆を植えた実験もしているが、とてもよい結果である。


写-2 大豆の実験結果 大変良好である
図-7 シラジュディン(Siradjuddin)氏の提案

※トウゴマは日本(温暖地域)では、1年生であるがインドネシアでは多年生である。
※※ヨナ書にある「神は、ヨナを暑さの苦痛から救うために、トウゴマを備えて、ヨナの頭の上に日陰を設けた。」(Jonah, The Old Testament)とある、あのトウゴマで、植物の日陰にもなる。

(5) 都市でも地産・地消を可能にする
 今、われわれが取り組んでいるバイオ燃料も「地産・地消」を文字通り実現するのは困難です。
 しかし、つぎのように考えることができないだろうか。
 これは特定の燃料(本プロジェクトの燃料)を生産したと『みなし』たり、また消費したと『みなし』たりするシステムである。これはバイオ燃料を消費したい人が、実際に消費しなくても同様な効果が得られる。
 
 すなわち、ある燃料の生産者に対して、維持管理コストを支援したり、さらには投資することを可能にするというものである。私達は当該地域の持続性と保全のための活動をしている。すなわち「都市地域でも地産・地消を可能」にするわけだが、これを第三者機関(インドネシアですでにコンタクトしている)に証明してもらいます。これに対して、例えば「グリーン・バイオ証明書」のようなものを、この第三者機関に発行してもらいます。このような証明書が発行されたバイオ燃料を購入するのであれば、都市地域でも「地産・地消」を実行、可能にするわけです。
第三者機関による証明は可能か。
NGOの代表(Coordinator of JICA-NGO Desk Indonesia:MULYONO LODJI さん)との話合い。





3.問題解決のための提案
(1) バイオマス・ニッポンを可能にする
 -1(Big way案)、2(吉川研究室案)を踏まえての提案ー
 1.(3)に前述したように、閣議決定された「2010年までに50万kℓのバイオ燃料の導入」の達成は困難であると
言われている。国際的な排出目標を約束した以上、それを実現することが義務である。そして、2006年3月に
「バイオマス・ニッポン総合戦略」の見直しが行なわれた。そこで、国内だけでなく、アジア等の海外と連携する
バイオ燃料の輸入方式、すなわち完全輸入型、開発輸入型が提案されている。

 そこで本プロジェクトもこのような提案を受けて大規模開発、約3万haの土地でバイオ燃料(ジャトロファ)、植
栽構想を試みている。具体的な数値を示すと、3万ha×8t種子/ha×0.35種子/油=8.4万tとなる。この8.4万
tを仮にすべて輸入できるとすれば、50万tの目標値の約6%を達成することが可能である。日本が関わっている
同様な規模では、つぎの2つである。南アフリカ共和国で三井物産と現地、及び欧米有力企業が共同で、農地
1万5千haで、年間10万tのBDFの生産を計画している。また、タンザニアで三菱商事と現地公社、企業が
年間3万8千tのBDFの生産計画(但し栽培面積は計画中)がある。

 さて、2002年度にまとめられた「バイオテクノロジー国家戦略」を見ると少し気になるのは、2010年までに、環
境・エネルギー産業の市場規模を4兆2千億円に引き上げる計画が立てられている。しかしこのように国が企
業や市場、地域経済活性化だけのみということが主体とされる実態が伺える。
 欧米諸国に見られるように、日本でも直接的な支援でないにしても明確な方向付けがあっても良いのではな
かろうか。従来型の海外援助である公共事業方である。高速道路や湾港投資に変わるものとして検討してほ
しい。

 今のところ、規模としてはこの3プロジェクト以外、具体的な提案がない。しかしこれらのプロジェクトからバイ
オ燃料を日本に持ち込むことができれば、バイオマス・ニッポン総合戦略もその現実化が視野にも入ってくる。

 日本の国の外交、対外戦略とは別の「もう一つの外交、対外戦略」があってもよいのではないか。それはつぎ
の(2)、(3)に示すように各地域・県には国家外交を越えた、それぞれに適した多様な外交(戦略)があり、そ
れは何よりも相互に「顔が見える」ものである。またこれは国の外交、対外戦略のリスク・ヘッジ、補完するもの
、民間外交となる。
 さて私は本プロジェクトの提案は、日本の外交政策上の「エネルギー政策」と「農業政策」をリンクさせ両問題
の解決として位置づけられる。積極的な区に亜kらの支援があってもよいと思っている(これについては『6/19
、私が日頃、考えていること、思っていることを言わせて下さい』
を参照されたい)。
 本プロジェクトに対する協力のお願いを提案をしてみたい。
(2) 地域振興、生活水準向上対策による地域との一体化
 これに関して本HP 7/13<私たちは環境保全と地域振興に取り組みます>、にすでにありますので、ご覧
ください。
 つぎにこの取組み、すなわちジャトロファ・プロジェクトの沖縄、またスラウェシ側の活動とそれに必要なネット
ワークについて図で示すことにする。
迎えに出てくれた地元民。 女性も積極的に話合いに加わる。
(3) もう一つの証券化 問題解決の提案
 私はこの証券化または出資による資金調達では「顔の見える関係」「(都市での)地産・地消の実現」が具体
的に出来る関係を提案したい。
 一般的に証券化は多数の債権を一括して証券化する方法で、大数の法則によるリスク・マネジメントを行なう
というものです。これによって当該証券化商品(例えば低所得者向け住宅商品)の格付けを向上させることが
可能となる。しかし、これが(ある意味で)今回のサブプライム問題を引き起こしたのです。

 私はこの証券を購入していただくのは、実際、自動車にバイオジャトロファ燃料を使ってもらっている人や、こ
れを示すとバイオジャトロファ燃料の価格を割り引くことにしたいと思っている。
 このことによって原産地と「顔の見える関係」や都市でも「地産・地消」が資本の面でも具体化していきます。
私はこの『顔の見える関係』が重要で沖縄・与那国では、100㎞の台湾・花連との交易(開港)を試み成功した
「辺境の逆転-日本最西南・与那国開港」。 
 すなわちジャトロファ燃料を使っている消費者は、このことで原産地を意識し節約を考え、また生産者は消費
者を意識し、生産の意義と連携を持つことが出来る。

 さらにナットソース社(温室効果ガス排出量取引のパイオニア)の予測によれば、排出量取引市場は将来、
2000億ドル/年(26兆円)になるといわれている。このうちアジアでの売買高は7兆~8兆円で、その中で日本
は1兆円と見込まれている。
 これは「排出権取引」や「炭素クレジット」というクレジット(証書)という金融商品をツールとして、「原産地」で
ある森林や農地の価値を維持・保全することに担保するものである。これを「クリーン開発メカニズム(CDM)」
として開発し、「共同実施(JI)」に使う。そして、前述したような国際的な排出目標を達成するために、「京都メ
カニズム」としてこれらの手法は公的にも認められた。
 さらに第三者機関の認定に基づくクレジット証書が発行される必要がある。クレジットという金融をツールとし
て「原産地」である森林農地の価値を維持・保全することを担保にする。
 具体的にはジャトロファの油を搾った残りを農地にかえして、肥料にすることも多い。これであると有機化する
がメタンガスが発生する。前述したように燃料として使ったり、このこのメタンガスの燃料として使えばメタンガ
スによるCO2カウントは20倍となる。これの排出量(権)の取引を考えている。

<皆様へ、私も頑張ります>
 21世紀、われわれの目標の一つは、20世紀の化石燃料の時代から早く脱却して、各地域に適した自立型の畑から
燃料が取れる(植物油)グリーン・オイルの開発です。
 皆様と一緒に、私も頑張っていきます。
 本プロジェクトは複合的かつ大規模であるので、このHPで示されているように、複数のタイプのビジネス・モデルが、
提案、運用されています。皆さんが、ご希望するモデルもあると思いますが、ぜひいろいろな形でご参加いただければと
思います。
        私はこれからもみんなと議論し、また喉がかわいたらヤシの実のジュースを飲んで、頑張ります。皆様もご協力ください。

*注・1
 ジャトロファ・オイルは通常、5℃以下では固まる性質があり、そのため、燃料化にはBDF方式(軽油の代替品)を採用している。
しかしこのBDFは化学薬品や汚水などの排水の問題がある。Big Wayは、この問題を解決するため植物燃料100%で動くディーゼル
燃料(SVO、ストレート・ベジタブル・オイル)の開発に取り組み成功した。それは高速遠心分離とディーゼル車載キットの採用である。
しかし沖縄は5℃以下になることはないため、ディーゼル車載キットの必要はなく、本土と比較してコスト的に有利である。私が提案して
いる
「沖縄だからこそ本土メジャーに勝つ」を実現化する一つのチャンスである。

*注・2 
 松井和久「スラべシだより」日本貿易振興会アジア経済研究所」、2002年、第4章「地方分権化と地方の自治」を中心にまとめた。
 アラン・アラン草の状態は中尾佐助のいうシーア・クライマックス(Sere Climax)で、植物の遷移系列の途中段階で半永久的にストップ
してしまっている。


*注・3 
インドネシアの「権力の分散」を民主主義、地方自治の拡大と同一化することに異なった見方もある。私も含めてインドネシアの多くの
人達は、今の危機の原因はスハルト長期独裁(例えばファミリー・ビジネスが跋扈し、正規国軍以外の陸軍特殊部隊の存在など)の
『権力の集中』にあっと思っています。
従って、このメガワティ政権下、2001年の「地方分権化関連法」の施行は、地方自治の拡大、
民主化で「権力の分散に寄与している」と考える。
 しかし白石隆氏は国家が壮大なたかりの機構となっているところでは、民主主義はたちまち利権と利益誘導の政治となってしまう。
そして今のインドネシアで危機にあるのは国民国家、どれ自体であると指摘している。
 白石隆「海の帝国」165~166ページ、中公新書、2000年9月を参照。

*注・4
 「アフリカやアジアでは、先進国の企業が主食の作物の畑を、バイオ燃料の原料となる植物・ジャトロファのプランテーションへと
変えている。ジャトロファは毒性であるため食べられない。これはまるで先進国が途上国に、換金作物を生産させることで貧困を
引き起こしたかつての「緑の革命」の再来だ。(新垣誠・沖縄タイムス、’08年7月16日、21面)またインドでジャトロファ研究の
第一人者であるプシュピート・ゴーシュ博士が「植物を作る農地を潰して栽培すれば、トウモロコシと同様、食糧生産を圧迫する。」
(読売新聞・'08年7月2日)と言われている問題点なども理解しているつもりである。このことについては、一度、別に述べさせて
いただくつもりである。


*注・5
 パーム果実(Fresh Fruit Bunch,FFBと略記)は脂質分解酵素を含むので、FFB収穫後は時間とともに急速に脂質の分解が進み、
遊離脂肪酸が増加する。これを防止するために、収穫後24時間以内にFFBを蒸気で熱処理して酵素の活動をなくす必要がある。
 すなわちパーム果実は長距離の輸送に適さず、収穫地、近隣の工場で直ちに熱処理、搾油を行なわなければならない。
このようにプランテーション内のパーム果実輸送距離(時間)を最小にすべく、搾油工場は地域内に比較的均等に設置される。
 また、パーム搾油工場の規模は原料であるFFB処理能力に換算して、50tFFB/dayのものが通常である。さらにこの搾油工場で
搾った粗パーム油(Crude Palm Oil)を集める精製施設は、搾油工場10ヵ所ごとに設置されている。
 このようにパームプランテーションは、数ヵ所の搾油工場とセット、さらにその上に一ヵ所の製油所というユニットから構成
されている。
 ちなみにパーム農園の規模の一例を参考として示してみた。
 インドネシア・リアウ(Riau州)のPT.Perkebunan Nusantar(インドネシア農業公社)では農場面積12万ha、またマレーシア・ジョホール
(Johor州)のFelda Palm Industries SDN BHDでは、農場面積11.3万haである。いずれも極めて大規模である。
 以上は「アジア諸国における未利用バイオマスからのバイオディーゼル燃料生産に関わる調査」三菱総合研究所(平成8年9月)を
利用させていただきまとめたものです。




9/12


『バイオ燃料、ジャトロファ(Jatropha)の大量、かつ永続的供給を求めて』(Ⅰ部 アクションリサーチ編)
-魔法にかけられた島、インドネシア・スラウェシ島-

※帰国後、急いで原稿を書きましたので、誤りがあるかと思います。訂正や注意箇所がありましたら、お知らせ頂ければ幸いです。
*写真は、吉川と沖縄大学・緒方先生がインドネシアで撮影したものを掲載させて頂きました。



                              
                          <スラウェシ島、コラカ地区>


                               目    次

               1.沖縄はこのようしにてジャトロファを確保します
                 (1)バウラ村の場所
                 (2)バウラ村と沖縄、そしてわれわれとの関係
                 (3)バウラ村での具体的提案
                   -途上国と先進国を結びつけるビジネス・モデル-
                 (4)ジャカルタに吉川事務所を置きます
               2.今後のジャトロファ開発の展望への提案
                 (1)ジャトロファは農村地域を変革するか
                 (2)証券化によるファイナンス、デリバティブによるリスク・ヘッジ
                 (3)閣議決定、バイオ燃料50万kℓの6%を実現
                 (4)在インドネシア、ジャトロファ輸出組合を
                 (5)排出権取引ビジネス、CDMの活用
               3.スラウェシ島・イントロダクション(次回)



 インドネシアから無事、帰ってきました。今日までバイオ燃料ジャトロファのインドネシアのどこが輸入先かを明らかに出来ませんでした。契約等も無事に済ませましたので、お知らせします。インドネシアの南東スラウェシ州コラカ(Kolaka)県のバウラ(Baula)郡の1村とティノンド(Tinondo)郡及びラロラエ(Lalolae)郡の11ヵ村、計2ヵ所です。
 ジャトロファの植付面積は、バウラ郡バウラ村が40ha、ティノンド郡及びラロラエ郡が11ヵ村で29,000ha、合計すると約3万ha。3万haと言えば、沖縄本島の南部地域と同じ広さです。
 ここでは、沖縄向けのジャトロファ産地となるバウラ村を中心に紹介させていただきます。
 さてバウラ村とジャトロファと我々の計画の前に、少々、私事ですが、スラウェシ島について少しお話しさせていただきます。

<バウラ郡バウラ村>