『泡瀬埋立てを契機に第3の道を探る、提案する』

01/12/7 沖縄市福祉文化プラザ

第1の道は開発推進、第2の道は環境保全(建設反対)であり第3の道は?

1.矛盾した非論理的な「埋立必要理由書」(中城湾港公有水面)をなぜ申請、提出するか。(それは申請者自身がよく知っている。)
 
そのほんの一例を示せば、理由書の1−69項、宿泊施設1(ホテル)計画で平均滞在日数が5.27泊を仮定している。しかし、現在の数字は3泊4日が37.2%と最も多く、次いで2泊3日が31.2%である。5泊以上はわずか11.1%しかない。
 また同頁の宿泊料金は(社)日本観光協会(平成5年3月)を引用しているが、これはプライス・リストであってこれを収入としているが、沖縄でのイールド(実態料金)は、本土の大手旅行社が4割、沖縄地元が6割で料金を分けている。
 このような矛盾は理由書作成者自身が一番よく知っているのではないだろうか。
 
2.しかし非論理的な申請を出す理由も理解しなければならない。
 沖縄は公共土木事業で食っているというのも事実。沖縄県内総生産中、製造業はわずか5.8%(日本平均28%)で逆に建設業は11.7%を占める。
 また県外受取りは公共土木事業その他の財政移転が45.5%、次いで観光16.2%である。従って他県と異なり、公共土木事業費を何らかの理由(今回は環境問題)で減少、中断することは死活問題になるという強迫観念を持っている。特に沖縄市を中心とする中部地域は零細土木会社が多くを占め、泡瀬の埋立及びその上物による土木建設費に対する期待が非常に高い。
   
3.そこで「第3の道」を提案したい。環境保全もされ土木建設企業も生き残る道を探りたい。
 今、国全体としても公共事業に対する見直しが進められている。それは財政難とともに、公共施設のメインテナンスコストの削減である。ここでは環境調和型海岸工学を提案したい。近自然工法は河川工事において最近、多く試みられているが、海岸工学でも研究が進められ、実用化が可能となりつつある。
 仮に現在の沖縄の@ラグーン内(波蝕があまり激しくない)海岸護岸のコンクリート部分を近自然工法による工事、またAここでは浄化機能(1ヘクタール5千〜7千万円の価値に相当すると言われている)を持つ沖縄の多くの干潟(塩屋、泡瀬、網張、船浦、浦内川河口、仲良川河口後良川河口)に対する保全、機能回復、強化(環境容量、キャーリング、キャパシティー増加策)をする自然回復方公共事業を提案したい。
  
4.環境調和型海岸(親水性護岸、石積護岸)の提案
 沖縄の海岸線は172.3万メートルあり、これを仮に環境調和型海岸にするとすれば、工法でかなり異なるが1メートル当り75万円とすると、1.3兆円(12,922.5億)となる。
 もう少し現実的に海岸線で保全上新たに海岸保全事業が必要と考えられる要保全区域75.5万メートルとされているので、これで計算すると5,663億円となる。
<(積)算参考資料>
海岸延長 要保全区域
沖縄本島 650,000m   320,000m
周辺離島 404,000m 114,000m
宮古・八重山 669,000m 321,000m

1,723,000m 755,000m
 工法で異なるが図の方法で積算すると、1メートル当り100〜50万円となり、概算で75万円/メートルとした。因みに護岸のような国土保全 (目的)の行政投資額は年間約300億円である。
   
5.日本全体を先取りした「一国二制度」を沖縄で実施
 沖縄はいろいろな理由で「一国二制度」を主張しているが、日本が今後、進めていかなければならない環境調和型公共事業の先取りという「一国二制度」を主張すべきではないか。
 オランダではすでに2005年を目標に、ハリングフリート堰(ライン川の河口締切り)を開放し、汽水域の回復が進められている。21世紀の公共事業は、20世紀の公共事業によって失われた河口域や干潟などの生態系を回復させるために行うものとなるべきではないか。この先取りをまず沖縄が、という提案である。
 さらにこのような自然回復型公共事業とペアで、自然観察やエコツーリズム、ここではガタ(潟)リウム(アクアリウム、インセクタリウム、水族館、昆虫館と同様な語法)を提案したい。
   
6.浚渫土砂の建築、土木用材利用の提案
 泡瀬埋立の理由が国際リゾート、国際文化観光、中部圏活性化と二転三転していて、「まず埋立事業ありき」で今度の理由、航路浚渫土砂の埋立(新港地区岸壁前面泊地、約800万m)がどの程度、本当に必要であるか確信はないが、どうしても浚渫土砂を処理したいなら次の提案をしたい。
 90年代から浚渫が始まっている琵琶湖では、この汚泥を高温で焼成してタイルやレンガに加工している。一部はし尿などと混ぜ合わせて発酵させ、肥料としても販売している。たしかに、これだけでは賄いきれないヘドロが陸揚げされ、処理されぬまま湖岸に保管されているのも事実である。 しかし、最近、この関連の実行可能な技術が続々と開発されている。単なる提案だと言われないために(量とコストの両面も一応検討し、実現可能)、これまでに調査したケースを示し具体的な検討をしていただきたい。
・先端建設技術センターでは鴻池組との共同研究でヘドロをフィルターにかけ脱水し乾燥させる技術を開発した。
   
・三菱工業は汚泥をその場で処理できる船舶を商品化している。
 これは汚泥をその場で焼き固めて園芸用の土や濾過用のざいりょうに加工することができる。
   
・NKKはアール・ビー(仙台市・環境装置メーカー)が開発した技術のOEMで、汚泥乾燥処理装置を発売している
 できた固形物をセメントに混ぜたり、建設現場で盛り土用に混ぜたり、あるいは土壌改良剤として使っている。
   
・東洋開発(新潟県上越市)、大同特殊鋼は汚泥の炭化装置を製造している。
   
・東邦レオン(大阪府)と中外炉工業は汚泥を焼却した後の灰に熱を加え、多孔質な石に加工している。
   
・1000℃C以上の高温炉で焼却すれば煉瓦にすることが可能で、千葉県では実際に行っている。